自社の東京の短期滞在物件で自動化したこと、人に残したこと
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日本で小さなゲストハウスを運営していると、こんな感覚に覚えがあると思います。物件自体に問題はなく、ゲストもほとんどが感じのいい人たち。それでも一日が細切れになっていきます。ドアの暗証番号についての問い合わせが来て、来週末の周辺相場を確認して、気づけばあるOTAの掲載内容が別のOTAと食い違っている。
今回はプロダクト紹介の記事なので、最初にはっきり書いておきます。テーマは、ベンステイ合同会社が東京で運営している短期滞在向けアパートと、その運営のために作った自動化の仕組みです。ただ、前半は課題そのものと、誰でも取れる対処法の話です。私たちのツールを使うかどうかに関係なく、役に立つ内容にしています。
まとめ
- 小規模ゲストハウス運営の時間は、主に「ゲスト対応」「価格調整」「複数OTAの掲載管理」という3つの繰り返し業務に取られます。
- ゲストからの質問の多くは、チェックイン方法、アクセス、荷物預かり、ハウスルール、設備の使い方という少数のカテゴリーに収まります。
- これらの答えは物件ごとに違うものの、ほとんど変わりません。そのため、物件情報に基づくチャットボットなら、文書化された定型質問には即答できます。
- 人の対応が必要なのは、主に予約変更と返金です。私たちの仕組みはこの線引きを前提に作っています。
- ベンステイでは自社の東京の短期滞在物件を、ゲスト対応チャットボット、ダイナミックプライシング、複数OTAの掲載管理で運営しています。向いている場面も向いていない場面も、正直にお伝えします。
なぜ小さなゲストハウスの運営はこんなに消耗するのか?
小さなゲストハウスの運営が消耗するのは、個々の作業が難しいからではありません。作業が絶え間なく続き、繰り返しが多く、しかも複数の場所に散らばっているからです。主な業務は次の3つです。
- ゲスト対応 到着前、滞在中、ときにはチェックアウト後にも、時間を問わず、さまざまな言語で質問が届きます。
- 価格設定 東京の需要は季節、祝日、イベント、曜日で変わります。先月は適正だった料金が、今月は気づかないうちに機会損失になっていることもあります。
- 複数OTAの掲載管理 多くの宿泊事業者はOTA経由の予約を受けています。JATAの2024年調査では、宿泊事業者の83%がインバウンド予約チャネルとしてOTAを挙げています。複数のOTAに掲載していれば、変更があるたびに同じ作業を何度も繰り返すことになります。
一つひとつは複雑でなくても、複数の場所で絶え間なく発生するからこそ負担になります。
ゲストは実際に何を聞いてくるのか?
ゲストからのメッセージの大半は、予測できる少数のカテゴリーに収まります。私たちの経験では、到着前から滞在中の質問はほとんどが次のどれかです。
- 入室方法 チェックインの手順、ドアの暗証番号、チェックイン時刻より早く着いた場合の対応
- アクセス 最寄り駅や空港からの行き方
- 荷物 チェックイン前やチェックアウト後に荷物を置ける場所
- ハウスルール ゴミの分別、静かにする時間帯、靴の扱い
- 設備 Wi-Fi、洗濯機、エアコンの使い方
大事なのは、これらの答えが物件ごとに違う一方で、ほとんど変わらないという点です。ドアの開け方やゴミのルールは、ゲストが変わっても同じです。だからこそ自動化に向いています。
特別なツールがなくても、運営者にできることは?
一度答えを書き出して、毎回それを使い回すことから始められます。ソフトウェアが一切なくても、次のことはできます。
- 回答集を作る 過去数か月分のメッセージを見直し、上のカテゴリーごとに分けて、それぞれにわかりやすく漏れのない答えを1つ書きます。
- 聞かれる前に伝える チェックインやアクセスの質問の多くは、到着前の適切なタイミングで情報を送っておけば来なくなります。
- 価格を見直す習慣をつける 週に一度、今後の日程と祝日、地域のイベントを確認するだけでも、一度決めたまま放置した料金よりずっとましです。
- 掲載情報の原本を1つ持つ 説明文、ルール、写真の正本となるドキュメントを1つ決め、各OTAへはそこからコピーします。こうすれば掲載内容がずれていきません。
これだけでも、一人で運営する場合は想像以上に楽になります。ただし限界もあります。結局は、あなたが毎日起きていて、対応できて、続けられることが前提になってしまうのです。
自社の物件のために何を作ったのか?
作ったのは、まさにこの3つの業務のための自動化です。ゲスト対応チャットボット、ダイナミックプライシング、複数OTAの掲載管理の3つです。最初からソフトウェアを作りたかったわけではありません。東京で短期滞在向けアパートを運営するなかで、自分たちが運営のボトルネックになっている状態に疲れてしまったのがきっかけです。
ゲスト対応チャットボット 物件の情報に基づいて答えるので、一般的な旅行情報ではなく、その建物について実際に正しいことを返します。対象は先ほどのカテゴリー、つまりチェックイン、アクセス、荷物、ハウスルール、設備です。答えが決まっていて文書化されていれば、時間帯に関係なく、ゲストはすぐに答えを受け取れます。
ダイナミックプライシング 思い出したときに更新する固定料金ではなく、需要に合わせて料金を随時調整します。「あの連休の料金、上げ忘れていないか」という心配から解放されました。
複数OTAの掲載管理 複数のプラットフォームに掲載しているので、各OTAを一つずつ手作業で直すのではなく、まとめて管理しています。目指しているのはシンプルで、どのOTAで見ても同じ内容が表示されることです。
向いている場面、向いていない場面は?
いちばん力を発揮するのは、繰り返しが多く、答えが決まっている業務です。チャットボットは「どうやって入ればいいですか」「ゴミはどこに出せばいいですか」といった質問が得意です。一方で、判断が必要な場面で人の代わりになるものではありません。
実際に人の対応が必要になるのは、主に予約変更と返金です。お金やポリシーが絡み、ゲストが不安を抱えていることもあります。そうしたやり取りをボットに任せたくはないので、これらのメッセージは私たちに届くように設計しています。
ほかにも、正直にお伝えしておきたい限界があります。
- 自動化の質は、元になる情報の質で決まります ハウスルールが曖昧だったり古かったりすれば、物件情報に基づくチャットボットは、その曖昧で古い内容をそのまま答えます。まず、情報をわかりやすく書き出す作業が必要です。
- 価格の自動調整にも、ときどき人の目が必要です 日常的な調整は任せられますが、戦略を決めるのは運営者自身です。
- 一つの運営現場から生まれた仕組みです 私たちが東京の短期滞在向けアパートを運営するやり方に合わせて作りました。物件や業務の流れが大きく違う場合は、そのまま当てはまらない部分もあるかもしれません。
私たちの運営について詳しく知りたい方は、benstay.jpをご覧ください。
よくある質問
Q: ゲストハウスのチャットボットは、どんな質問に対応できますか?
答えが物件ごとに決まっていて変わらない質問です。チェックインの手順や暗証番号、アクセス、荷物預かり、ゴミの分別や静かにする時間帯といったハウスルール、Wi-Fi・洗濯機・エアコンの使い方などがこれにあたります。
Q: 人が対応すべきなのは、どんなメッセージですか?
主に予約変更と返金です。お金やポリシーの判断が絡むため、判断力と人ならではの丁寧な対応が求められます。
Q: ゲスト対応の負担を減らすのに、ソフトウェアは必要ですか?
必須ではありません。わかりやすい回答集を作り、到着前に必要な情報を送っておくだけでも、同じ質問はかなり減ります。自動化の主なメリットは、そうした答えを24時間あなた自身が送り続けなくてよくなることです。
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