リフォーム見積もりが実は比較できていない理由、その直し方
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去年、うちの物件のひとつでバスルームの塗装とタイル張り替えの見積もりを3社から取りました。合計金額はそれぞれ48万円、61万円、72万円。最初は「安いところに頼めばいい」と思いました。でも実際に3枚とも項目を読み込んでみると、同じ浴室工事を3通りに見積もっているのか、それとも同じ浴室でも実は作業範囲が違うのか、まったく判断がつきませんでした。
「合計金額が近いから比較できている」と「本当にスコープが同じで比較できている」の間には大きな差があります。この差のせいで、日本の物件オーナーは払いすぎたり、逆に安い見積もりを選んで工事開始後に追加費用を請求されたりしています。
まとめ
- 日本の工事見積書は比較しづらい。施工会社によって項目の分け方が大きく違い、「バスルーム改修」1行で済ませる会社もあれば、同じ工事を解体・配管・タイル・器具設置など15項目に分ける会社もある。
- 諸経費という一括の項目には全国共通の決まった基準があるわけではなく、リフォームに関する一般的な目安として小計の5〜15%程度がよく挙げられるが、実際の割合は工事の内容や業者によって幅がある。パーセンテージまたは一括金額で示されることが多いため、他社の見積もりと比較しやすい項目でもある。
- スコープを正規化して比較すると、表面上の合計金額が一番安い見積もりが、実は一番お得ではないことがよくある。廃棄費用・許可費用・消耗品費などの除外項目が原因になりやすい。
- 正しく比較するには、比較する前にすべての見積もりを同じカテゴリーに正規化する必要がある。
- この作業を助けるために「Aimitsu(あいみつ)」を開発した。見積書をアップロードすると、項目を抽出して市場相場データと照らし合わせ、他社と比べて突出している可能性のある諸経費率を表示する。
なぜ日本の見積書は比較しづらいのか?
一番の原因は、リフォームの見積書に業界共通の統一フォーマットがなく、施工会社によって項目の書き方や粒度が大きく異なることだ。ある業者は「バスルーム改修:35万円」と1行でまとめる。別の業者は同じ工事を解体・配管の下地工事・タイル施工・器具設置・清掃と5項目に分け、合計は近い金額になる。
どちらが間違っているわけではない。ただ、1行の見積もりと15行の見積もりを、そのままの合計金額だけで比べても意味がない。自分でその1行を細かく分解し直さない限り、本当のスコープ・品質・除外事項を比較したことにはならない。単に「短い見積書を書いた会社」を比べているだけになってしまう。
差が一番大きく出るのはどこか?
諸経費は、見積もりごとの差が特に出やすい項目のひとつだ。現場管理費、廃材処理の手配、保険料、業者の利益などをまとめて計上する項目で、全国共通の決まった基準があるわけではないが、リフォームの一般的な目安として小計の5〜15%程度がよく挙げられる。実際の割合は工事の内容や業者によって幅があり、業者がその仕事をどれだけ取りたいかによって、この目安を超えて上下することも珍しくない。
諸経費は実費を積み上げたものではなく、他の項目に対するパーセンテージで示されることが多いため、見積もり同士で比較しやすい項目でもある。ある業者の諸経費が小計の15%、別の業者の同程度の工事で8%だった場合、それは具体的に比較できる数字であり、直接確認する価値がある。ただしこの比較ができるのは、諸経費の行を各見積もりから抜き出して直接比較した場合に限られる。実際には、PDFの中に他の数字と一緒に埋もれていて、ほとんどの人はここまで手を付けない。
自分で見積もりを比較するにはどうすればいいか?
時間さえかければ手作業でもできる。すべての見積もりの項目を、解体・配管・電気・タイル/床材・器具・廃棄処分・許可費用・消耗品・諸経費という共通のカテゴリーに分け直し、業者ごとに1行、カテゴリーごとに1列の表を作る。カテゴリーが揃ったら、諸経費だけを別の行にして、埋もれたパーセンテージではなく単独の数字として比較する。
含まれている項目だけでなく、含まれていない項目にも注意する必要がある。廃棄処分費、駐車場代・車両費、消耗品(接着剤・シーリング材・小さな金物類)、別途工事、必要な申請・許可費用などは、特に確認しておきたい項目だ。一見安く見える見積もりからこれらが抜け落ちていて、後から「追加費用」として請求されることもある。表面上5万円安く見える見積もりが、これらを足し戻すと逆に高くなることもある。この作業は有効だが時間がかかる――きちんとやろうとすると業者1社につき1時間以上、見積もりが手書きや写真の場合はさらに時間がかかる。
この課題を解決するために何を作ったか?
この手作業をショートカットするために作ったのがAimitsuだ。業者から実際に受け取った見積書――今使っているのと同じPDFや写真――をアップロードすると、項目を抽出して利用可能な相場データと照らし合わせ、15項目の見積もりと2項目の見積もりを並べて確認できるようにする。相場データと比べて高く見える項目や、他社と比べて突出している可能性のある諸経費率を表示する。
どの業者に発注すべきかまでは教えてくれない。品質・信頼性・工事中のコミュニケーションといった要素は、どんな表よりも重要で、見積書には表れないからだ。Aimitsuができるのは、合計金額同士の比較ではなく、スコープ同士の比較ができる状態まで、電卓片手の夜を過ごす代わりに数分で到達させることだ。見積もりが1社分しかない場合でも相場データとの照合はできるが、複数の見積もりがあるほうが、スコープの正規化や業者間の比較はより強力になる。あのバスルームの一件のように、複数の見積もりがあって、どれが条件をそろえたときに割安なのか分からない、という状況のために作ったツールだ。
よくある質問
Q: 日本のリフォーム見積もりで、諸経費として妥当な割合はどのくらいですか?
全国共通の公式な基準があるわけではないが、リフォームに関する一般的な目安として小計の5〜15%程度がよく挙げられる。実際の割合は業者や工事規模によって変わる。同じ工事の他の見積もりと比べて明らかにこの目安から外れている場合は、直接理由を確認する価値がある。
Q: 項目を正規化すれば、必ず一番安い業者が見つかりますか?
いいえ。項目を相場データと照らし合わせ、高く見える箇所を確認する助けにはなるが、業者の品質・信頼性・実績までは評価できない。比較した結果一番安く見える見積もりが、必ずしも正しい選択とは限らない――交渉や意思決定のための、より明確な出発点になるということだ。
Q: 比較のためには複数の見積もりが必要ですか?
必須ではない。1社分の見積もりでも相場データとの照合はできるが、項目や諸経費率を業者間で比較する機能は、同じ工事について2社以上の見積もりがある場合に最も力を発揮する。
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