日本のゲスト対応でLINE公式アカウントを軸にすべき理由
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ゲストハウスを運営している人と話すと、必ずと言っていいほど「WhatsAppを使うべきか」という話になります。他の国ならそれでいいでしょう。でも日本に滞在するゲスト——閑散期を支える国内客やアジア圏からのゲストを含めて——を相手にするなら、答えはほぼ常にLINEです(主な例外はKakaoTalkを使う傾向が強い韓国のゲストです)。
私は東京でいくつかの物件のゲスト対応を運営していますが、デフォルトのメッセージングチャネルをWhatsApp中心からLINE公式アカウントに切り替えたのは、去年行った中でも特に効果の大きかった変更のひとつでした。WhatsAppが悪いからではなく、実際にメッセージを送ってくる相手にとって適したツールではなかったからです。
まとめ
- LINEは国内の日本人ゲストと台湾のゲストにとって既定のメッセージングアプリだが、韓国のゲストはKakaoTalkを使う傾向が強いため、WhatsAppやメールなど別の手段も用意しておく必要がある。全体としては、LINEはWhatsAppよりも多くのゲストに届く、信頼性の高いデフォルトチャネルと言える。
- LINE公式アカウントは、自動応答キーワード、リッチメニュー、一斉送信メッセージといった無料機能を提供しており、独自開発なしで小規模運営者でも導入できる。
- 東京の当施設では、チェックイン方法、駅・空港からのアクセス、荷物預かり、ハウスルール、Wi-Fiなど設備の使い方——ごく一部の質問カテゴリーがゲストメッセージの大半を占めており、ここから自動化するのが最も効果的。
- 自動化は繰り返し発生する質問を即座に解決する一方、予約変更や返金に関する問い合わせは必ず人間に引き継ぐべき。
- LINEの自動化はメッセージ量を減らすのに有効だが、それは分かりやすいハウスマニュアルがあってこそ機能するものであり、マニュアルの代わりにはならない。
なぜWhatsAppよりLINEの方が日本のゲストハウスに向いているのか?
WhatsAppよりLINEが重要なのは、機能面の優劣ではなく、実際に予約してくれる相手が普段使っているアプリだからです。国内の日本人ゲストは圧倒的にLINEを使っており、そもそもWhatsApp自体をインストールしていないことも珍しくありません。台湾のゲストも、日本にとって最大かつ安定したインバウンド市場のひとつであり、WhatsAppよりLINEを圧倒的に多く使っています。一方、同じく主要なインバウンド市場である韓国のゲストは、LINEよりもKakaoTalkを使う傾向が強く、LINEだけでは届かない可能性があります。到着前メッセージをWhatsAppで送っても、半数のゲストがアプリを開かなければ、それは何も伝えていないのと同じで、誰も見ていないチャネルにメッセージを投げ込んでいるだけです。
だからといってWhatsAppを完全にやめる必要はありません。特にLINEを既定にしない韓国のゲストや、欧米からの長距離旅行者にとっては、WhatsAppやメールが有効な代替手段になります。欧州のゲストはWhatsAppを好む傾向が比較的強く、米国やオーストラリアのゲストはWhatsApp、SMS/iMessage、予約プラットフォームのメッセージ機能、メールなどを使う場合があるため、優先する連絡手段を直接確認するのがおすすめです。現実的な対応は両方をサポートしつつ、ゲストベースの中で最もメッセージ量が多いセグメントをカバーするLINEを、自動化の軸として位置づけることです。
どのゲストからの質問を最初に自動化すべきか?
ほぼすべての滞在で繰り返される質問から自動化すべきです。東京の当施設では、ゲストメッセージの大部分が限られた数のカテゴリーに集中しています。私たちの運営経験では、繰り返されるカテゴリーはほぼ一定しています。入室方法(チェックイン手順、ドアコード、チェックイン時間前の到着への対応)、最寄り駅や空港からのアクセス、チェックイン前・チェックアウト後の荷物預かり、ハウスルール(ゴミの分別、静かにすべき時間帯、玄関での靴の扱い)、そしてWi-Fiパスワードや洗濯機の使い方、エアコンの操作といった設備の使い方です。
これらが自動化に適しているのは、物件ごとに答えは固定されているのに、質問そのものは尽きないからです。夜11時に到着するゲストも、その1週間前に午後3時に到着したゲストと同じチェックインの質問をします。一度答えを書いてしまえば、人間が毎回同じ内容を打ち込む必要はありません。
一方、自動化にあまり向かないのが予約変更や返金の依頼です。これらは判断が必要な場合がほとんどなので、スクリプト化しようとせず、すぐに人間に引き継ぐべきです。
LINE公式アカウントでのゲスト対応自動化はどう設定すればいいのか?
LINE公式アカウントマネージャーから無料で開設し、独自開発なしに自動化の大部分を担ってくれる3つの機能を設定することから始めます。まず自動応答キーワードですが、LINEはゲストのメッセージが登録したキーワードと完全に一致した場合にのみ応答するため、「Wi-Fi」を含む文章すべてに反応するわけではありません。「Wi-Fi」「Wi-Fiパスワード」など、想定される表記のバリエーションをそれぞれ個別に登録しておく必要があります(1つの応答につき最大51個のキーワードを登録できます)。こうして登録しておけば、該当するフレーズを入力したゲストは、あなたが起きるのを待たずに即座に答えを得られます。次にリッチメニュー——トーク画面下部に固定表示されるタップ式ボタン——を使えば、ハウスマニュアルやWi-Fi情報、アクセス方法へ直接誘導でき、そもそも質問される前に一部の疑問を解消できます。さらに、ゲストがアカウントを友だち追加した瞬間に自動送信される挨拶メッセージは、質問される前にハウスマニュアルのリンクやチェックイン手順を伝える絶好の場です。
複数物件を運営する事業者にとっては、独自のチャットボットをさらに構築する前段階として、この無料のLINE機能だけでも定型的な質問のかなりの部分を解決できます。開発者を雇う必要すらありません。
LINEでの自動化にはどんな限界があるのか?
自動化は、元になる情報の質以上には機能しないため、分かりやすいハウスマニュアルの代わりにはならず、むしろそれを前提として成り立ちます。チェックイン手順が曖昧だったり、Wi-Fiパスワードが変わったのに自動応答を更新していなかったりすれば、自動化はただ間違った答えを速く届けているだけになります。また、判断が必要な場面には対応できません。深夜にオートロックで締め出されたゲストや、レイトチェックアウトを希望するゲストには結局人間の対応が必要であり、どんな会話も無理にスクリプトに押し込もうとせず、必要なときにはすぐ人間へエスカレーションできる設計にしておくべきです。
ここでの自動化の役割は限定的ですが価値があります。物件ごとの繰り返し質問を吸収することで、ゲスト対応にかける時間を本当に必要な部分に振り向けられるようになります。
よくある質問
Q: LINE公式アカウントは無料で開設できますか?
はい。無料のコミュニケーションプランには、自動応答キーワードやリッチメニューに加えて、月間200通までの課金対象メッセージが含まれます(一斉送信メッセージはこの通数に数えられますが、LINEチャットでの返信メッセージや応答メッセージ、あいさつメッセージは対象外です)。単独物件や小規模な複数物件運営者であれば、多くの場合これで十分です。
Q: LINEに切り替えたらWhatsAppは完全にやめるべきですか?
いいえ。KakaoTalkを主に使う韓国のゲストや、欧米からの長距離旅行者などLINEを既定にしないゲストのために、WhatsAppやメールも引き続き用意しておくべきです。ただし、国内の日本人ゲストや台湾など主要な近距離インバウンド市場をカバーするLINEを、自動化の主軸として位置づけるのが現実的です。
Q: 自動化すべきでないゲストからの質問はありますか?
予約変更や返金の依頼は自動化すべきではありません。多くの場合判断が必要になるため、スクリプト化するのではなく、すぐに人間へ引き継ぐべきです。
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