日本のホテル投資:物件資料が語らない収益をモデル化する
「東京・ゲストハウス、3,500万円、表面利回り8%」——そんな物件情報が目に入る。悪くない数字に見える。日本の不動産市場としては、むしろ良いほうかもしれない。頭の中で計算が始まる。
ただ、ここに落とし穴がある。表面利回りは、投資判断のベースとして使うにはほぼ常に間違った指標なのだ。
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「東京・ゲストハウス、3,500万円、表面利回り8%」——そんな物件情報が目に入る。悪くない数字に見える。日本の不動産市場としては、むしろ良いほうかもしれない。頭の中で計算が始まる。
ただ、ここに落とし穴がある。表面利回りは、投資判断のベースとして使うにはほぼ常に間違った指標なのだ。
日本で民泊や簡易宿所の物件を所有して運営しているなら、減価償却はおそらくもっとも大きな経費控除の項目です。そして、外国人オーナーにとってもっとも誤解されやすい項目でもあります。
日本で物件を購入してAirbnbで2〜3年運営したにもかかわらず、「減価償却できることを知らなかった」という理由で一度も申告しなかった投資家の話を何度か聞いたことがあります。逆に、耐用年数の表を読み誤って誤った年数で計上してしまったケースも。どちらも避けたいので、実際の仕組みを整理しておきます。
物件仲介業者からワンページの資料が届く。表面利回り:8.5%。物件は清潔で最寄り駅まで徒歩圏内、前のオーナーは1泊平均1万8千円だったという。簡単な試算をすると、悪くない数字に見える。
ところが購入から3ヶ月後、稼働率が54%に止まり、「想定していたリターンはどこへ消えたのか」と首を傾げることになる。
ここ数年、海外から見た日本はある意味「セール中」の市場だった。ドル、ユーロ、ポンドを持つ投資家にとって、円の弱さはエントリーコストを下げ、インバウンド需要の拡大は宿泊ビジネスの収益力を押し上げてきた。
しかし「安い通貨+観光ブームだから今すぐ買うべき」は結論ではなく早合点だ。円安は投資の方程式のあらゆる層に影響を与えており、その構造を誤読しやすい。順番に整理していきたい。